
北海道のてっぺん、日本最北のまち「稚内」。
そこには本州や道央とはまた違う、北の果てならではの風景と文化、そして静かな感動があります。
宗谷岬と“日本最北端”の記念碑
やはり稚内観光の定番といえば「宗谷岬」。
日本最北端の地として知られるこの岬には、記念碑があり、旅人たちはここで記念撮影をします。
水平線の先にはサハリンの影が見えることもあり、国境の街に立っていることを実感します。
夏でも風は冷たく、文字通り「北の風」を肌で感じることができる場所です。
ノシャップ岬と夕日
稚内にはもう一つの岬、「ノシャップ岬」もあります。
宗谷岬が「最北端」であるのに対し、ノシャップ岬は利尻富士を望める夕日スポットとして有名です。
天気の良い日には、利尻島と礼文島が美しく見え、夕陽に染まるそのシルエットは息を呑む美しさです。
稚内港と北防波堤ドーム
稚内駅から徒歩圏内にあるのが「北防波堤ドーム」。
古代ローマ建築を思わせる巨大なアーチ状の防波堤は、実際に今も港を守る現役の建造物です。
海から吹きつける強風を和らげるこのドームは、戦前の樺太航路の玄関口としての歴史も感じさせてくれます。
稚内温泉と地元グルメ
旅の疲れを癒すなら、稚内温泉「童夢(どうむ)」へ。
海を眺めながら入る露天風呂は格別です。冬場には流氷が接岸することもあり、まさに北国の温泉体験が味わえます。
また、地元のグルメも外せません。ホタテやタコなどの海産物はもちろん、名物「宗谷黒牛」のステーキやハンバーグも人気です。
北防波堤から感じる“境界”の空気
稚内はかつて、樺太への玄関口として発展しました。
現在は定期航路はありませんが、樺太との歴史を伝える記念館や資料も数多く残されています。
海の向こうに別の国があるという感覚は、他の日本の都市ではなかなか味わえない体験です。
おわりに
稚内は「最北」というイメージ以上に、静かで、雄大で、どこか寂しさも感じさせる不思議な町です。
自然の厳しさと人の温かさが交差するこの地を、ぜひ一度ゆっくりと旅してみてはいかがでしょうか。
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